腰椎変性すべり症と腰椎変性側弯症の原因と治療方法
腰椎変性すべり症の原因は?
腰椎変性すべり症というのは、加齢によって椎間板や靱帯にゆるみが生じ、腰椎の並びが前後にずれてしまう病気です。
閉経後の女性に多く見られます。
ずれた腰椎が周囲の神経や筋肉を刺激すると腰痛が起こりますが、まったく感じない人もいます。
すべりが進行すると脊柱管の中を通る神経が圧迫される為、脚の痛みや痺れ、間欠跛行などの症状が現れて、脊柱管狭窄症などになる事もあります。
腰椎変性すべり症の治療方法
腰椎変性すべり症は、本来が悪性の病気ではないので、強い痛みがあっても多くの場合、薬や装具、運動などの保存治療で対処します。
保存治療を続ける事で、痛みが和らいだり、日常生活動作の範囲を広げたりすることが期待できます。
脊柱管狭窄症の症状がある場合は、脚の痛みや痺れをとる目的でプロスタグランジン製剤を用います。
脚の痛みが酷い場合は、神経根ブロック注射も検討されます。
保存療法で改善されない場合や日常生活に大きな支障をきたしている場合には手術で神経の圧迫を取り除いたり、脊椎を固定したりする治療が検討されます。
腰椎変性側弯症の原因は?
加齢によって椎間板や椎間関節がゆるむと、腰椎が上半身の重みを支えきれなくなり、背骨が左右どちらかに曲がってしまった状態が、腰椎変性側弯症です。
腰椎変性側弯症は60歳以上の女性に多くみられる症状で、背骨が横に曲がることで、肩の高さや脚の長さが左右で違うなど、体のゆがみが生じます。
軽度の側弯であれば自覚症状がない場合がほとんどです。
しかし、側弯が進行すると、体のバランスが悪くなるほか、腰痛や背中に痛みが出てきたり、肺が圧迫されて心肺機能が低下したりする事もあります。
また背骨がねじれてくると脊柱管狭窄症につながる事もあります。
腰椎変性側弯症の治療方法
腰椎変性側弯症の治療は、運動や装具といった保存療法が中心です。
重度の側弯で心肺機能の低下や脊柱管狭窄症が見られる場合は、神経の圧迫をとる手術や、金具で背骨を矯正する手術が検討されます。
まとめ
腰椎変性すべり症と腰椎変性側弯症の治療はどちらも「保存療法」が基本になります。
保存療法とは、「薬物療法・装具療法・運動療法・神経ブロック・理学療法」の事です。
手術の方法は2種類。
- 骨を切除し、神経の圧迫を取り除く「椎弓切除術」
- 腰椎の不安定性や変形が強い場合に金具で固定する「脊椎固定術」
です!